無職で借りられる、ってホントですか?
貸金業法の改正以降、消費者金融からの借り入れについては、以前よりも厳格化が進んで、これまでなら問題なく貸し付けを受けていたような人が、
借りられなくなったというケースが多々、発生していることが知られています。
これは、貸金業法の総量規制などの新制度導入により、「個人の収入がない人」は、それだけで、貸付限度額がゼロになってしまい、
自動的に融資が受けられなくなってしまったことに起因します。
総量規制では、消費者金融からの融資限度額を「年収の三分の一」と定めています。個人の収入がないー年収ゼロという状況ですと、基礎になる金額がゼロになってしまうのです。
その一方で、「無職でも貸します」「ニートでもOK」といったふれこみで、一般の消費者金融からの貸し付けを受けられない人を対象として、
融資を扱う業者、というものも、現れてきています。
これらの業者は、一見すると、中小企業規模の新規創業した消費者金融のように見えます。本当のところはどうなのでしょうか?
個人にお金を貸してくれる=消費者金融ではない?
無職、ニート、派遣でも大丈夫、即日融資OKです!などとPRしている会社を訪ねてみると、同時に「ブラックOK」となっている場合が少なくありあません。
ある程度、知識のある方ならこの時点で「ちょっとおかしいぞ」と気づくのではないでしょうか?
ブラック=金融事故の履歴がある場合、消費者金融からの借り入れは、ほとんど不可能になるはずなのに、それが大丈夫で即日融資ができる、
というのであれば、その業者はほぼ、間違いなく正当な消費者金融業者ではないでしょう。
いわゆる闇金業者である可能性が高い、と考えたほうがよいです。
「えっ?でも、漫画で見るようなヤミ金っぽい、怪しげな感じはしなかったですよ?説明してくれた人は、普通にサラリーマン風のスーツで、
言葉遣いとか、態度も丁寧でしたし、新規参入した小規模の消費者金融業者なんじゃないですか?」
なんて返事が返ってくることも、割合多いようです。
しかし、よくよく話を訊いてみると、都道府県の許可を受けている様子がなく、許可証らしき物の掲示がされていないなど、
目につきにくいところで、正規の消費者金融業ではないことが行われているのです。
一見、正規業者、実は…?ソフトヤミ金に注意!
消費者金融業は、営業を行うに当たり、営業許可を取り登録が認められないと、貸金業を行うことができません。
これに違反した無許可営業の場合は、罰則の対象となり、逮捕、罰金ないし懲役という重い刑罰が科されます。
「トイチ」などの、法律上認められていない高利での貸金も同様で、発覚した場合は、法律上、取ってよい利息を超えた分は、返還義務が生じ、契約そのものが無効という判断になります。
このような罰則の適用は、業者側のみが対象で、騙された利用者は、「被害者」という立場です。
以前は、こうした違法営業を行うのは、「いかにも、暴力団風」な人相風体の従業員がいる事業所で、事務所の雰囲気も、一般企業とは大きく違っていることが多いものでした。
しかし、ここ数年来、そうしたイメージは大きく変わって、今は、「ヤミ金」といっても、一般の企業と何ら見分けのつかないような印象で、
従業員も、普通のサラリーマン風、物腰もむしろ柔らかく、ソフトな印象を与えるような人を使っていることが多くなっています。
こうした、「一見、合法に見えるけれど、じつはヤミ金」という業者のことを、従来の「いかにも」なヤミ金と区別するために「ソフト・ヤミ金」と呼んだりします。
しかし、ソフトであれ、ハードであれ、ヤミ金であることには違いありません。
実態は、違法な貸し付けを行って、法外な暴利をむさぼる高利貸しであることには、何の違いもないのです。
もし、「おかしい」と感じたら、すぐに、警察や法律家に相談することが重要です。
放置すればするだけ、あなたの財産が無駄に浪費されますし、こうした貸金の暴利は、しばしば暴力団をはじめ、反社会的な活動の資金源にされていることがあるからです。