消費者金融という業態が発生したのは、だいたい、いつ頃からだと思いますか?
こういう質問をした場合、だいたい30年から40年くらい前、せいぜい古くても昭和20年代だろうと想像する人が多いですが、
消費者金融会社を「個人向け小口融資業務を行う会社」と考えた場合、その始まりはもっと古くからのものになります。
金融機関による個人への融資の始まりは、1929年(昭和4年)、現在の、みずほ銀行の源流の1つである日本昼夜銀行、
(安田銀行への吸収、富士銀行への改称を経てみずほ銀行へ)などが始めた、個人向けの小口融資とされています。
その後、太平洋戦争の勃発による経済統制や、戦後の復興において、企業向けの融資が優先されたことにより、個人向けの直接融資は一時途絶えていましたが、
1950年代後半から、信用金庫などが個人向けの融資を行うようになり、1960年(昭和35年)頃には、大手銀行も個人向け小口融資を行うようになりました。
そして、1962年(昭和37年)には現在の消費者金融会社のプロミスの前身となる会社などが設立され、
以後、サラリーマン金融と呼ばれた個人向けの小口金融会社が続々と誕生していきました。
ところが、1970年代から1980年代初頭にかけて、これらの会社による強引な融資やその回収の仕方が社会問題化し、
1983年(昭和58年)には、貸金業規正法(現在の貸金業法)が制定されることとなります。
その後、1995年(平成7年)から深夜帯以外の時間帯でも、テレビコマーシャルが流せるようになるなどの追い風を受けて、
業界では暗いイメージを払拭するために、1980年頃から使われ始めた「消費者金融」という名称の普及に努めるようになりました。
現在、消費者金融業界は2008年(平成20年)の「レイク」の新生銀行の子会社化に始まる銀行系列化の動きや、
2010年6月より完全施行された、改正貸金業法の影響などを受けて、新たな再編期に入っていると言えます。