お金がないときに借金を組めるのは便利ですが、融資する側からいうと、ちょっとしたリスクですよね。
相手がきちんと返してくれるのかどうかは誰にもわかりませんし、相手が返すつもりであったとしても、ない袖は振れません。
相手が何らかの理由で破産してしまえば、貸したお金も戻ってこない可能性が高くなります。
考えてみれば、相手にお金を貸すというのは、けっこう勇気のいることであるのがわかります。
そのようなものですから、万が一の事態に備えて保険をつけておく、という形で融資が行なわれるのも、やむを得ないという所ではないでしょうか。
融資する側からしても、けっして相手を無闇に疑っているわけではありませんが、お金は貯めようと決めれば、誰でも貯まるものではないのが悩ましいところです。
お金に困っている人が、皆さんお金に興味のない方ばかりではありませんからね。
以上のような事情で、借金を組むには、保証人などを要求される形式も一般的なものでした。今でもそうだ、とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
ですが、この点について、近頃は事情に変化が現れています。
なんと、即日融資などと呼ばれる、当日中に振込みまでやってくれる融資であっても、保証人などが不要とされているケースも珍しくないのです。
この事情を見て、まるで、保証人という制度自体が、必要なくなったかのように思えますよね。
保証人をこれまで要求してきたのは、資金が回収できなくなる、万が一の事態に備えてのことでした。
事実、保証人を要求していたおかげで回収不能に陥らずにすんだ、というケースも少なくないはずです。
それにも関わらず、近頃の金融機関は保証人も要求せず、即日融資に応じている、というわけです。これは一体どういうことでしょう。
これは、融資に関して保証を用意するという仕組み自体が、必要とされなくなったのでしょうか。
一見すると、そのように思えてしまうのも無理はありません。
お金を貸すという行為が、勇気のいるものであれば、保証人のような、万が一の事態に対する保険を用意しておくのは必然的行為ですよね。
それがないということは、お金を貸すという行為自体が、勇気のいるものではなくなったのではないかと思えてしまいます。
ですが、そのようなことはありませんよね。お金は相変わらず天下の回り物です。個人でも企業でも、お金の管理には苦労されている方が多いでしょう。
お金を貸すという行為は、現代社会でも十分に勇気のいる行為となっています。
それにも関わらず、「保証人」という形で保険を求められなくなったのは、融資のリスクがなくなったのではなく、それに代わる、新たな保険の仕組みができてきたからです。
融資を申請する人間には、保証人を要求しないとされる即日融資でも、無保証で貸付を行っているわけではないケースがほとんどです。
例えば、保証人を申請者個人には要求しないけれども、金融機関自体が、各融資に関する保証人として、保証協会などと提携している例があります。
このケースの場合、個人では保証人は不要でも、融資を受けるにあたっては、事実上の保証人となる相手が存在することになります。
融資申請者は、自分で保証人を用意する手間を省ける代わりに、金融機関が用意した保証相手に、保証料を支払う必要があったりはするのです。
このように、「保証人を要求されない=融資が無保証で受けられる」というわけではないのです。
つまり、無保証でもOK、とされる即日融資などは、保証人という形で保証を必要とせず、別の形で保証を要求するようになっただけだといえます。
借金というものが持つ、特性自体が変わらない限り、保証が不要とされることはないのです。