「どうしても、お金を貸してほしい!」と頼む人って・・・?
「今月ちょっと苦しいんだ」から始まって、「今、お金を工面しないと、死ぬしかない!」まで、
お金を貸してほしいという申し入れの説明は、本当に人の数だけある、といってもいいでしょう。
しかし、一見バラバラに見える「お金を貸して欲しい理由」も、実は、ざっくりまとめると共通点があります。
それは、「どうしても貸して欲しい」というセリフです。
さて、ここで、ちょっと冷静になって考えてみると、奇妙な共通点にお気づきになられるのではないでしょうか?
「どうしても貸して欲しい」という人々は、「どうしてだか、わからないけれど、入ってきた収入だけでは足りないらしい」ということです。
奇妙なことに、入ってきている収入の金額や、それを手にするための社会的地位(言い換えるなら、職業)は、まちまちであるにも関わらず、
「どうしてもお金を工面しなくては困る」という状況に陥ってしまう、というところだけは、共通している、ということになります。
なぜ、「入ってきた分で足りない」のか?
「どうしても貸して欲しい」という人々は、実は、そのような状況に陥ってしまう素地があるということになるかと思います。
つまり、「お金の見通しが甘い」ということと、「入ってきた以上に使っている」という点です。
使う理由は、ギャンブルや、浪費などの非生産的な嗜好が原因という場合もあれば、株やFXなどの金融商品の取引という人もいるでしょう。
あるいは、クレジットカードや消費者金融などの、借り入れ癖が着いていることによるものかもしれません。
中には、社長の立場にありながら、個人財産が枯渇しているという場合もあります。
しかし、いずれにしても、共通しているのは、「お金のバランス感覚が乱れている」という点でしょう。
金額の違いはあっても、入ってくる分と出ていく分のバランスがつかめなくなっており、そのために、次第に状況が悪化して、
最終的には、銀行やキャッシングという方法では間に合わず、個人的に借り入れを申し込むしかない状態に追い詰められていると考えたほうが適切です。
特に、クレジットカードなどの利用は、タイムラグがあり、使い過ぎになりやすい要素が元から含まれています。
こうしたキャッシュフローの財産管理は、現金決済とは違ったバランス感覚が必要になりますから、失敗しやすいと言われています。
誤った安心感と、手軽さと引き換えの無感覚
また、「借り癖の付きやすい人」という、性格特性も影響が大きいようです。
お金を借りるということには、本質的に後ろ暗い、ネガティブイメージを感じる人が多いものですが、感じ方の度合いにはかなりの個人差があるようです。
「1回だけでも、恥ずかしいし、絶対嫌だ」という方がいる一方で、「抵抗感はあるけれど、やむを得ない時は躊躇なく頼む」という方もいます。
そして、多くの場合、「最初は抵抗感が強かったが、次第にそうでもなくなった。」というパターンが多いことも良く知られているようです。
これは、消費者金融や、クレジットカードの利用の場面では、大変、頻繁に見かけられる消費者心理のようです。
お金がない時には、誰しも非常に追い詰められた心情になります。
それが「入金された」というだけで、「お金が入ってきた!」という安心感から、辛く苦しい緊迫感から解放された気持ちになります。
しかし、その安堵感だけで安心しきってしまい、そのお金が「どこから入ってきた、どういうお金」というところには目が届かなくなってしまう傾向が強いといえます。
この、「誤った安心感」は、キャッシングやクレジットの便利さ、手軽さが原因となって生み出されているところも、間違いなくあるでしょう。
手軽で便利なだけに、借金への抵抗感が薄れてしまい、次第に無感覚化していくという傾向は強いといえます。
「お願い」は、一方通行の心理
このように、お金を借りる心理は、詳しく見るほどに一方通行で、「借りる側だけの都合」だけに偏っているのが特徴です。
借りることにだけ、心血を注いでいる状況に陥っているといってもいいでしょう。
これまで見てきたように、キャッシュフローの考え方に狂いが生じている人は、根本的な調整を行わないまま、お金だけをいくら工面してもらったところで、悪循環を繰り返すだけです。
あくまでも、必要なことは、金銭感覚のバランスを適切な状況にしたうえで、返済の負担が生活を壊さない範囲に収まるようにすることであって、
目の前の金銭にすぐ飛びつくことではないからです。
このようなタイプの人からの申し入れは、上手に回避することも大切です。