そもそも、年金を担保にお金が借りられるの?
年金を担保にしてお金を借りることを、年金担保融資と言います。
民間業者では禁止されているのですが、独立行政法人福祉医療機構では、国の貸付期間として、取り扱いを行っています。
国としては、労働収入がない高齢者の老後を支えるために年金制度を作っているわけですから、それを担保にお金を借りれば、高齢者の生活が苦しくなることが明らかだからです。
しかし、収入源が年金だけに限られている状況下で、事故によるけがや、急病など命に係わる事態が発生しないとも限りません。
そんなときに、蓄えがない場合、年金収入のみでは足りず、更に借り入れを行うことができないがために、必要な医療が受けられない、ということになってしまいます。
このような事態を避けるために、国は年金を担保にした融資の取り扱いについて、厳しくルールを定めて、民間の金融業者が取り扱うことを禁止しているのです。
もし、一般の消費者金融や質屋などの金融関係の業者が、「年金を担保に貸し付けします」といった金融商品を扱っていたとしたら、それは違法な貸し付けである疑いがあります。
近年は、こうした違法な年金担保貸付を行う闇金融が横行しており、全国でも摘発事例が発生しています。
年金担保融資は国の認めた特定の機関でしか取り扱いはしていません。注意しましょう。
年金担保融資を利用したとき、返済はどうなる?
年金担保融資は、独立行政法人福祉医療機構が取り扱っています。
利用目的が「借金の返済」「ギャンブル」など、公序良俗に反さず、年金受給中であって、生活保護の受給がないなど細かい要件はありますが、
これらをクリアしているのであれば、年金から返済するという条件で、貸し付けを受けられます。
金利も2%程度の低金利ですから、消費者金融などと比べると非常に負担が小さくて済みます。
年金の種類が厚生年金であれ、国民年金であれ、船員保険年金であれ、利用することができます。また、労働災害補償保険年金を受給されている方も対象になります。
ただし、借り入れの上限を算出する根拠になる対象は、それぞれの年金で細かい規定があります。
この年金担保融資を利用した後、返済は、受給している年金から天引きされる形で自動的に返済がなされます。
借り入れの形態によって、返済方法や額はいくつかの選択があり、それに添って返済していく形となります。
おおむね、月1万円程度から返済していく形になる方が多いようです。
年金担保融資、利用時の注意点
年金担保融資を利用するときに、気をつけなくてはならないのは、返済の期間中の生活設計でしょう。
年金しか生活費を拠出できない中から返済を行うことになりますから、その期間中は、自動的に年金は減額されて支給されることになります。
ですから、返済期間中は減額された年金額で生活ができるかどうか?を借り入れの前に十分に検討しておく必要があります。
返済は自動的に行われますから、滞納という事態になる恐れがないだけに、厳格です。一般の金融機関のように、
滞納を貯めてしまう心配はないかわり、確実に返済させられるといういい方もできます。
また、低金利とはいっても、借り入れ額と返済額のバランスによっては、長期間の返済が必要となってくることも考えられます。
生活費との収支バランスを良く検討したうえで利用することも大切です。