別れた彼女から借りたお金は、返さなくてはいけませんか?
まずは、質問です。
付き合っていた頃、彼女からお金を借りました。返していないまま、別れることになったら、彼女が、「貸していたお金を一括で返して!」と言ってきました。
借りるときは、「いつでもいいから。」と言っていたのに、突然、請求されても返済が難しい状況です。すぐに返済しなくてはいけないのでしょうか?
あなたはどう思いますか?
そのお金、「借りた?」それとも「もらった?」
まず、原則論は、「借りたものは返す」ですから、当然、借りたお金なら返済しなくてはなりません。
こういった場面だと、しばしば、「あれは借りたんじゃない、もらったんだ」と言って、返済を免れようとするケースが見受けられます。
しかし、もし、当初お金を受け取るときに、「あげるんじゃなく、貸すんだからね。」といったやり取りがあり、
借りる方もそれに合意したのであれば、そのお金は、貰ったものではなく、借りたお金ということになります。
貸し借りに際して、何かしらの証拠となる、振込の記録や、メールのやりとりなどがあって、「貸した」ということを彼女が証明できるのであれば、
まず、間違いなく、それは「貸金」として認識されることになるでしょう。
「いつでもいい」って言ったのに、「今返さないとダメ?」
「でも、借りたときは、いつでもいいって言ってたんですよ?」と、反論される男性もいらっしゃいますね。
「普通、○月○日までに返済、とか決めるもんでしょ?それを、決めなかった、向こうが悪いんだから、こっちの都合に合わせて、返すのが当たり前じゃないですか?出世払い、ってことですよね?」
なんていわれます。
こうした、貸し方は「出世払い」ではなく、「期限の定めのない貸借」ということになります。
期限の定めのない貸借の場合、貸した側は、言ってみれば、借りたほうに大幅な譲歩をしている状況です。
その代わり、借りた方は、請求されたら、すぐに応じなくてはなりません。なぜか?というと、端的に言えば「借りたから」です。
期限を決めるということは、貸した方、借りた方の両方にとって、利益があるから期限を決めているわけで、法律上は双方にとって公平になるように考えられています。
「返さなくていい場合」ってないの?
もし、それが、「借りたお金」である場合は、「返さなくてはいけません。」借りたお金ですから、返済するのが当然です。
個人間の貸し借りですから、原則、そのまま、返すのが基本です。
しかし、例外的に、「返さなくてもいい部分」はあるかもしれません。
例えば、
・誕生日に上げたネクタイピンの代金分を返せ
・デートで使った費用を返せ
・慰謝料として、貸していたお金に利息を付けて返せ
などの場合は、借金とは直接関係のない部分ですから、請求にこたえる義務はありません。
人道的に請求に応える必要があるかどうか?は、別に判断されるべき内容となります。
しかし、状況によって、あからさまに結婚詐欺などを疑われるようなケースであった場合は、単純に借りたお金を一括返済しただけでは済まない場合もあるかもしれません。
基本的には、最初に特に約束をしていないのならば、借りた分の残金を一括返済すれば、消費貸借に関しては白紙に戻ることになります。
後々の問題とならないよう、早めに返済を済ませてしまうのが、一番良い方法ともいえるかもしれません。