借金にいろいろな物があるのと同様に、借金に関するトラブルにもさまざまな物がある。
支払いが遅れることによる返済のトラブル、人からの借金による人間関係のトラブルなどが代表的なものであるが、このほかにも様々なトラブルが存在する。
しかし、こういった借金関係のトラブルを回避するために、気をつけるべきことは意外にもそう多くはない。
ある数点のことに気を配っていれば、大きなトラブルにはならないのである。
借金をする上で、気をつけなければならないことの中で、一番大きなものは「約束を守ること」である。
お金を貸しているほうは、全額の返済が目的でお金を貸しているのではない。
早く返済しなければと考えるのは、借り手側の心理であり、貸すほうの望むものは貸すことによる利息の回収であり、
貸すことによる心理的な優位であり、貸すことによる関係の継続である。
ウラを返せば、貸すほうが利息を望んでいるのであれば、毎月利息を支払っていればそれで満足であり、心理的な優位や関係の継続を望んでいるのであれば、
それに合わせた態度を示していれば、複雑なトラブルには発展しないのである。
当然、利息の発生しないような借金の場合、約束の返済日には、一定の額を返済していく必要はある。
黙って何も言わず、その約束の日を超過すれば、相手は「回収できないかもしれない」という不安が生じ、結果としてトラブルへと発展するのである。
返済が滞るのであれば、その理由とともに、現在支払いが可能な額を伝え、可能な額がゼロな場合は、いつまでに次の返済が可能であるかを明確にする。
「今、お金がないので約束した金額を払うことはできません。次に支払えるのも、いつになるかわかりません。」では、
相手は不安になり、他で借金してでも返してほしいと考えるのは当たり前である。
それが親しい人物であれば「借金してでも返してほしい」などとは言えるわけもなく、貸したほうがストレスを抱え、関係がギクシャクしてくるのは当然の結果である。
そのような結果を避けるために大切なのは、まず約束を守ることを第一に考えること。
約束を守れなかったことがあれば、次の約束は必ず守り、その意思表示をしっかりと相手に伝えることである。
何も難しく、大きな額を返そうと考える必要はない。決められた金額を決められたタイミングで渡していれば、相手がしつこく請求してくることはない。それが借金である。