借りたら返す、は当たり前。でも…?
急に物入りになり、手っ取り早くお金を工面しなくては、というときに、キャッシングを利用される方は多いことと思います。
ここ数年来、消費者金融の申し込み手続きのオンライン化、融資のネットバンキング振込化、コンビニへのATMの設置など、
借りる側にとっては利便性が良くなっていることから、キャッシングに対して敷居が低くなった印象があります。
一方で長引く不況の影響で、就職難民になる人、突然の倒産や整理解雇に見舞われる人など、収入については依然厳しい状況が続いていることも影響もあるでしょう。
キャッシングは賢く利用する限りは、便利なものですし、緊急の場合には、本当に助かるものです。
しかし、あまりにも簡単に、手軽に借り入れることができるようになってしまったせいで、反対に、「お金を借りている」という緊張感が弱くなったことも事実です。
数千円~10万円未満の少額を借りては、すぐ返すような借り方ならばよいのですが、
「借りたものを返しきらないまま、次を借りる」という状況に陥ると、そこから抜け出すのはなかなか大変です。
特に、生活資金を借りる癖がついてしまうと、急激な増収でもない限り、簡単に返済できなくなってしまいます。
そして、不景気の現在、そうそう簡単には収入が増えることはない、と思った方が正解です。
目先の返済だけにとらわれるのは危険!
借金をするときは、理想的には「どうやって返すか」を先に決めておいて、返済のめどがある中で借りるのが一番トラブルが起こりにくく、生活にかかる影響も少ない方法です。
しかし緊急の場合や、追い詰められて余裕がないときには、そのような検討が十分行えないまま、
「とにかく、今を切り抜けなくては!」といった心情でキャッシングに走ってしまうことが非常に多いのです。
当然、返済の検討はできていないまま、すぐさま利用し始めるという状況になり、息づまるリスクはとても高くなります。
こんなとき、生活費の困窮から、「リボ払い」や「ミニマムペイメント」を利用しよう、と考えるケースが非常に多いです。
リボ払いとは、毎月一定金額を払うことで、少しづつ返済をしていく方法です。実際の返済額は、毎月3千円くらいからが多いようです。
一方で、ミニマムペイメントは、契約で定められた最低金額を払えば、その月分の返済が終わっているとみなされて、残金には別途手数料と利息が適用されます。
これらの払い方は、毎月一定の金額を払ってさえいれば、返済は続いているように見えますし、月々の返済額は少なくて済んでいるように感じます。
しかし、リボ払いやミニマムペイメントの場合は、そのほかの返済方法よりも利息が高かったり、手数料が余分に加算されたりするという仕組みになっているのです。
明細を見るまでは、手数料がいくら取られているのか気づきにくいというところがあって、自分では、楽々返済しているように感じてしまいがちですが、
実質的には借金を増やしてしまっている場合が大部分です。
返済は、金額が少ないほど、利息が高くなるのが当然ということは踏まえておくべきでしょう。
リボやミニマムペイメントよりは、借り換えの方がいい場合も!
クレジットやキャッシングを複数重ねてしまって、月々の返済が苦しいというところから、全ての返済方式をリボ払いやミニマムペイメントに切り替えて、
「これで、月々の返済が楽になった。」と喜んでいたりすると、本当に大変なことになってしまいます。
そもそも、リボルビング払いは、以前から、「返しても返しても、残金が減らない」という点が問題とされてきました。
リボルビング払いの返済開始当初は、1回の返済額の中で、利息が大部分であり、元金の返済は非常に少ないのです。
翌月分は、未返済の元金に利率をかけて利息とされますから、ある程度、返済が進まないと、元金が減少していかないという状況になってしまいます。
最近は、元金スライド式などの方法で、この欠点を修正した利息計算方法も取り入れられていますが、原則的には、「リボ払いは損」と考えておいて差し支えないでしょう。
ミニマムペイメント払いの場合、かかる手数料が問題となります。返すべき金額が少なくても、月をまたいでしまったり、
所定の時間内に、追加の返済をしないと手数料が上乗せされ、これが、利息以上にかさんだりします。
よほど苦しいとき以外は、なるべく使いたくない方法とも言えます。
利息が膨らむことを考えたら、むしろ、低金利の所から一括で借り入れて、返済の一本化を図る方が、生活の立て直しに役立つ場合もあります。