個人間でもお金の貸し借りは、可能か?
融資、と言われると、一般には金融機関をはじめとする、融資を銀行として行っているところからの借金、というイメージがありますね。
しかし、実際は、実業家や、個人の富裕層が、投資や、社会貢献の目的で、まとまったお金を貸し付ける個人間の融資というものは存在しています。
融資、というと、まとまった金額がイメージされますが、早い話、「電話代10円貸して」も立派な融資です。
法律的には、個人と個人のお金の貸し借りを禁止している条文はありません。
ですから、金銭消費貸借そのものは、個人間でも成立しますし、貸し借り自体は、行っても構わないということになります。
貸し借りはしてもいいけれど、ルールはある
しかしながら「法律で禁止されていないこと」と、「ルールがない」というこはイコールではありません。
金銭の貸し借りそのものを禁止はしていなくても、個人間での金銭の貸し借りには、キチンと料率で定められたルールはあるからです。
「オレとお前の約束なんだから、返済については勝手に決めさせてもらうぞ。」と、とんでもなく高額な利息を請求するのは、たとえ個人間でも違法に当たります。
個人間の金銭貸借については民法で細かく規定されており、その利息は、利息制限法という法律の金利が適用されることが決められています。
利息制限法の金利は、年利15~20%の範囲で、それぞれ元金の金額に応じて、定められており、この金利を超える利率を適用してはいけません。
たとえ個人間の貸し借りであっても、これを超えた利息を適用したことが発覚した場合、罰則の対象となる場合もあり得ます。
親子間の借金は別扱い
これまでご説明した内容は、あくまでも、赤の他人対他人の関係でのお話。
債務者と債権者(借りた人と、貸した人)の関係が、親子などの肉親であった場合は、ちょっと事情が違ってきます。
と、言うのは、原則的に、法律は親子間の借金には立ち入らず、貸金というよりも、お小遣いであるとか、生活費の支援といった判断がなされることが多いのです。
親子だからと言って、お金を貸してあげてはいけないというわけではありませんし、親子だから、利息は付けてはいけないという決まりもありません。
しかし、仮に払ってもらえない等のトラブルになったときも、親子間の場合は、法律はタッチしませんよ、ということになるのです。
刑法上の違法行為(たとえば、親に暴力をふるう、縛り上げる等の身体の自由を奪って、金銭を略奪したような場合)でもない限りは、
「借りた」といっても、法律での規制対象にはなりません。