法律が変わったせいで、主婦がキャッシングできなくなった?
30代主婦のA子さん、独身のお友達数人との旅行に誘われました。でも今月はお小遣いに余裕がありません。
断ろうと思ったら、誘ってくれた友人が、「A子、クレジットカードを持っていないの?来月返せる予定なら、キャッシングで借り入れしてもいいんじゃないの?
と言われて、それもそうだ、と、最寄りの提携ATMに。ところが、限度額に余裕があったはずなのに、借り入れができなくなっていてびっくり!
クレジット会社に電話をしたら、「貸金業法という法律が改正されまして、先日の更新の際に、ご職業が主婦ということでしたので、キャッシング枠をゼロ円に変更させていただいております。」なんて説明が。
「これまでキャッシングなんて、全然使ったことがなかったから、気にもしなかったけれど、主婦だとキャッシングができなくなったの?」と、素朴な疑問が。
お友達のB子さん、C子さんに聞いてみると、「私も主婦だけど、借りられるよ?D子さんも、貴女と同じく、専業主婦だけど、キャッシングできるみたいよ?」なんて返事が返ってきました。
いったいどういうことなんでしょうか?
主婦だからではなく、「収入の有無」が分かれ道。
実は、A子さんは専業主婦で、仕事を持っていません。B子さん、C子さんは、それぞれ、パートや、ご主人のお仕事を手伝ったりして、ご自分の収入がある、いわば、「兼業主婦」なのです。
どちらも職業欄には「主婦」と書くことができるのですが、個人の収入欄については、A子さんは「0円」なのに対して、
パートのB子さんなら、パート給料で、ご主人から給料をもらっている自営業のC子さんなら、専従者給与で、「年収○○○万円」と、記載することができます。
このほかにも、例えば在宅ワークや、内職、集金業務などの収入があったり、仕事を持っていなくて、ご本人名義の不動産を賃貸されているとか、
信託財産などの定期的収入がある場合も、年収欄に個人の収入が記入できるということになります。
おそらく、専業主婦だけれど、キャッシングができるD子さんは、これらの収入があるのでしょう。
貸金業法が改正されて、新しく導入された「総量規制」では、消費者金融や、クレジットカード会社のキャッシングについて、
貸付限度額を「年収の三分の一を超えないこと」という制限が設けられています。
専業主婦の場合は、個人名義の年収がゼロですから、自動的にキャッシングできる限度額もゼロ、ということになってしまうのです。
これは、専業主婦に限ったことではなく、定期的な個人収入がなければ、おなじように、キャッシングの限度額はゼロになります。
また、全てのケースにあてはまるわけではありませんが、一定以上の金額を借り入れる場合や、初めての申し込みの時には審査の中に「在籍確認」といって、
本当に申告した通りの場所で勤務をしているかを、クレジット会社や消費者金融が電話を入れて確認します。
無職の人の場合は、ここでもダメを押されるケースがあるようです。
ただし、これはキャッシングに関する問題だけで、クレジットカードのショッピング枠には、関係ありません。