本当は存在しない、「ブラックリスト」とは?
「キャッシングを申し込んでも、どこへ行っても断られる」
「クレジットカードを申し込んだら、キャッシング枠がゼロになっていた」
「利用していた消費者金融から、追加で借りようとしたらダメだと言われた。」
他にも、自動車ローンが利用できなかったり、クレジットカードで買い物をしようとしたら、利用が差し止められたり、といった、
「借りたいのに、貸してもらえなくなった」などの状況に陥ることがあります。
こういったときは、借りられなくなった人、自身にも、しばしば、「思い当たる節がある」ということがほとんどのようです。
多くは、「引き落としが何度ができなくて、返済が滞っている」とか「何ヶ所か、から借りていて、そのいくつかが、遅れがちで滞納している」とか、
程度の差はあれど、借りたけれど、ちゃんと返していないというものです。
使おうと思ったらクレジットカードが使えなかった!なんて状況に驚き慌てて、「まさか、ブラックリスト入り!?」と焦ってしまう方も多いようです。
しかし、実はブラックリストと呼ばれるリストは実際には存在しません。ですから、ブラックリストに載せられたら借りられない、というのもウソ。
あくまでも比喩のようなもので、正確な表現とは言えないでしょう。
消費者金融は「事故」に敏感、ブラックになるとデメリットはある
いわゆるブラックリスト入りに相当するのは、正しくは「事故」といいます。
これは、消費者金融が取引相手である各債務者の取引情報を記した、信用取引情報について記載される、滞納などの「思わしくない状況」を指していう言葉です。
1回の遅延、滞納などは、事故としては小さく、返済が追い付けばすぐに解除されます。ただし記録そのものは、その後も、期間には差があるものの、保管されることになります。
特定調停や、自己破産など、司法の手を借りる事態に陥ったときは、消費者金融にしてみると「大事故」ということになり、正に「由々しき問題」と判断されます。
こうした場合は、原則的に新たな貸し付けは停止され、クレジットカードなどの場合も、利用が差し止められます。
もっとも、自己破産の場合は、法律で一定期間の新たな借金はできない規定となっていますから、いずれにしても借り入れはできない、ということになります。
事故歴があると、お金が借りられなくなるの?
消費者金融からの事故歴は一定期間が経過すると抹消されます。
ですから、2,3か月の滞納で、記録が載ったからと言って、必ずしも借りられなくなるというわけではありません。
しかし、事故歴があるということは、返済能力の信用が下がりますから、借りにくくなることは間違いありません。
従って、事故歴が消えない期間中は、消費者金融からの借り入れはできなくなるでしょう。
事故歴が抹消される期間は、各信用保証情報機関によって違います。
銀行からの借り入れについては、保証人や担保提供などの状況によっては可能になるかもしれませんが、原則的にはかなり厳しいことになるでしょう。
しかし、破産や特定調停などの債務整理を行った場合は別格で、こうなると、半永久的にクレジットカードや消費者金融からのキャッシング、銀行などのローンも利用できないと言われています。
こんな中、「ブラックOK」といった広告を出してお金を貸してあげますよ、といったPRをしているところを見かけることがあると思います。
しかし、こうした金融機関は、一見、合法に見えるのですが、実は、闇金融ということが少なくありません。
こんなところから借りたら、その後、余計な苦労を背負うことは明らかです。
事故になる前の手当が重要!
このように、ブラックリスト入りとなってしまうと、その後の人生に大きな影響が出かねないということになりますから、
「返済が難しい!」という状況になった段階での行動が、非常に大きな意味を持つことになります。
特に、貸金業法が改正となって以降、自己破産や特定調停などの案件は増えており、闇金融の被害もじわじわと上昇の傾向だと言われています。
もしも、あちこちから借りていて、返済が難しい状況になっているのであれば、早期に無料弁護士相談や、司法書士に相談を行うべきでしょう。
古くから取引を続けているような貸金の場合、グレーゾーン金利での契約である可能性もありますし、過払い金が生じていないとも限りません。
また、グレーゾーン金利でなくても、おまとめローンなどの借り換えが利用できるのであれば、債務の一本化によって、月々の返済負担が軽減されて楽になるというケースもあります。